vol.003 里帰り

里帰り

みなさま、あけましておめでとうございます。

大晦日に還暦を迎えたマザーを祝うべく久々に帰郷してきました。
山と田畑に囲まれた我が故郷は、この時期になると水道が凍ってしまい、朝の洗顔もひと苦労。
おそらく氷の国から来た恐ろしい女王の仕業でしょう。
(女王の悪行、わりと地味っ!)

里帰り1

 

 

 

 

 

 

 

しかしながら、新年を迎える準備でバタバタしていたのもあり、はるばるお越し頂いた女王に気の利いたお茶菓子も出せない始末…。
(律儀におもてなしっ?!)

さてさて、家に着くや否や凍えた体でこたつに入るも電源を入れてから熱がこもるまでの時間はあまりにも長い。
この間に眠ってしまおうものなら凍死すること請け合いです。
せめて体の中から温まろうと、ジャケットの懐からポケットウィスキーをとりだすも、かじかんだ指先ではアルミのキャップを開けるのもままならない。

「オゥ、ガッデム!!!!」

僕はウィスキーのミニボトルを叩き付ける。

その間も、こたつはいっこうに温まらない。
何故なら肝心のコードがコンセントに繋がっていないから…。
なんとも手痛いミステイク。
そうこうしているうちに寒さで意識が遠退く。

パトラッシュ…
僕はもう疲れたよ…
なんだかとっても眠いんだ…

といっても、隣に仲良しの犬がいてくれているわけでもなければ、見上げた先にルーベンスの「キリスト降架」があるわけでもない。
あるといえば、チラシの裏に書かれた年末の買い出しリストがコルクボードに貼られているくらい。

仕方がないから氷の女王とおしくらまんじゅう。

里帰り2

 

 

 

 

 

と、新年早々こんな感じで恐縮ですが今年もどうぞ宜しくお願いします。

 

Ⓒイラストレーター トツカケイスケ